柑橘類の陽

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AKB系ドキュメンタリー映画の感想【後編】

AKB、SKE、乃木坂と観てきたドキュメンタリー映画*1も、今回のNMB、HKTで一周しました。
AKBとSKEの推しが立て続けに卒業して色々と考えることがあったため、より自分の推し中心の感想となっておりますが、こういう人もいるよということで一つよしなにお願いいたします。
積極的にネタバレを踏みにいかなかったものの、何となく漏れ聞く評判から、NMB→HKTの順番で観ることにしました。

※以下の記述では、内容のネタバレが含まれています。

 

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道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48
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この映画を観て印象に残るのは、さや姉(山本彩さん)、りりぽん(須藤凜々花さん)、あーぽん(沖田彩華さん)の三人でしょうか。

さや姉は言わずもがなのエースでセンター。朝ドラ「あさが来た」の主題歌「365日の紙飛行機」ではAKB48名義の曲で初めてセンターを務め、その歌声を耳にしたことがある方も多いはず。ジャニオタ的には、ジャニーズWESTの神山くんと似ていて*2、歌番組で今井翼くんが中山優馬くんの姉だと勘違いして(本当のお姉ちゃんは山田菜々さん)挨拶されたお方です。映画内でも完璧な超人として描かれていました。あまりにすごい存在がゆえに、次に続く方が出てくるのかが今後のグループの存続に関わってきます。

りりぽんは、ドラフト一期生期待の星で「哲学者を目指してアイドルになる」という独特な世界観を持ち、読ませる文章のブログを書く子です。劇中でも哲学者の言葉を朗読する場面が差し込まれ、アクセントとなっています。推されるがゆえにアンチも多いですが、私は単純におもしろくて好きです。*3

りりぽんがセンターのユニット曲*4をスタジオで収録する際、センターのプレッシャーから涙してしまう中、「こういう時もあるよ」と笑顔で肩を組んで励ましたのが、ジョーちゃん(城恵理子さん)でした。ジョーちゃんが言うからこその重みある言葉。二期生のセンターとして大々的に推されたものの一度NMBを離れ、再び研究生からスタートしたジョーちゃん。もう封印しているのかもしれませんが、彼女ほど『物語』があるメンバーもいないと思うのに、この映画では特に触れられませんでした。その流れがあると、再加入後の研究生時代の映像にて私の推しもよく映るのではないかというエゴもありました。「NMB研究生が曲に恵まれているのはジョーのおかげだ」と言われることもあり、再加入からの流れでも運営から期待されている存在だと私も認識しており*5、恩恵にあずかれるものはあずかっておこうと思っていたのでした。12人でやりきった2014年夏のNMBツアー神戸の研究生公演は、全員の気迫が伝わってきた間違いなく神公演でした。
2期生と3期生にかつていた推しも当時の映像で少しは映るかと期待していたのですが、見当たらず。現在の生活が幸せでありますようにと願うのみです。

そして最後のあーぽん。一期生で劇場を頑張っているもののこれまで選抜経験はなく、2015年の選抜総選挙では速報で名前を呼ばれたものの本番では呼ばれず…といった描かれ方でした。支配人とのやり取りで、うむむ…となる描写もあるのですが、それでもピックアップされたことがうらやましいです。どちらかと言うと不名誉な「干され」という役割でも、選ばれる人と選ばれない人がいる訳で、何にせよ注目されることがうらやましいです。

そして不思議なのが、こういう密着企画の時にみるきー渡辺美優紀さん)はなかなか触れてもらえないことです。「さや姉に次ぐ握手列の長さで、女性にも人気。」くらいの軽さでした。つかみどころのないみるきーは、物語を作りづらいのでしょうか。

アイドルについて全く知らない監督が描くということを宣伝でやたら強調されていたので、オタクにとっては優しくない作りなのだろうなと予想していましたが、初期チームBⅡの「騙されたと思って食べてみて計画」だったり研究生の「想像の詩人」公演だったりは、彼女たちをずっと追っていた私たちファンだけが知っている特権ということなのかもしれません。調べて遡れば知ることのできる「歴史」ですね。

 NMBの推しスタンス*6

 

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尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48
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オタク心のよくわかるさっしー=指原監督(指原莉乃さん)なので、きっとどの推しのファンも満足できるよう考えて作られているだろうから、内容については心配をしていませんでした。メンバー全員の名前のテロップが出ることがありがたいです。このドキュメンタリー映画を作る指原監督の様子も入っていて、それはメンバーであり製作者側でもあるからこその状況ですね。これまで見てきた5本の中で、クスッと笑えるシーンがあったのはこれが初めてでした。

私はらぶたんこと多田愛佳さん推しです。ジャニーズ目当てで買ったアイドル誌「duet」に掲載された記事を読んで「めちゃめちゃ可愛い子がいるなぁ」と思ったのが始まりで、とはいえAKBに所属している間は茶の間の応援でした。それが変わったのは彼女がHKTへの移籍を発表したことです。「いる」ことが当たり前でないことを突き付けられ、幸いHKTの方がAKBよりも関西へ来る機会があるので、現場に参加するようになりました。そんならぶたんは「初恋バタフライ」の選抜メンバー発表時から姿がありました。あまり大々的に移籍を描かれると転校生のようなよそ者感が出てしまうので、さらりとそこにいることで、特別ではないHKT48の一員であることが嬉しかったです。
2015年の選抜総選挙で再び1位になったさっしーにらぶたんが舞台裏で駆け寄ったときに「呼ばれて良かったね」とさっしーに話しかけられ、泣きそうになったらぶたんの表情を見て、私も泣きました。速報が圏外だったため「総選挙で名前呼ばれなかったこと一度もありませんでした。今回がはじめてです。名前よばれなかったの。」なんて言わせてしまったことが申し訳なかったですし、本番で80位~49位の2グループ分のメンバーが発表された時点でらぶたんの名前はなく、この後に名前が呼ばれるかどうか不安で私は吐きそうになっていました。すっかり昔のことのように思っていましたが、あれからまだ一年も経っていないのですね。

直接指原監督と対談していた各期のエースは、1期生のはるっぴ(兒玉遥さん)とさくら(宮脇咲良さん)、2期生のめるちゃん(田島芽瑠さん)とみおちゃん(朝長美桜さん)、3期生のなこちゃん(矢吹奈子さん)とみくちゃん(田中美久さん)。常に比べられる存在があるというのはつらいこともある反面、重みをわけあえる存在であり「一人じゃない」ということは強さにもなると思います。

人それぞれスタンスはあるはずなのにたった一人が「○○推し」の総意のように思えてしまうし、オタクの映像にお金を払っている訳ではないので、こちら側であるオタクの映像が入ることが好きではないのですが、この映画に登場する方は不思議と嫌でなかったです。なぜ嫌でなかったのかを突き詰めれば、私のなりたいオタク像が見えてきそうです。

この映画は公開までネタバレ禁止を強く言われていて、主題歌も当然ネタバレの一部として禁止されていました。*7これだけSNSが普及するとどうしても言いたくなり言わない方が難しい状態ですが、観た人が流すのが嬉し涙ならばいくらでも黙っていようと思いました。
劇中で「このBGMはもしかして…?」となった部分があり、エンドロールのクレジットを確認してまた一つ泣きました。

ジャニオタ的にも名前を聞く振付師SEIGOさんのインタビューも掲載されていますので、パンフレットも一読の価値ありです。

 ★HKTの推しスタンス*8

*1:上記三作の感想はこちら。AKB系ドキュメンタリー映画の感想【前編】 - 柑橘類の陽

*2:神山くんは認識しており、舞台のアドリブで「絶滅黒髪少女」のサビを披露する回もあったとか。見たかったです。

*3:3月末に発売される哲学書「人生を危険にさらせ!」と、今年中に発売される予定の写真集も買うつもりです。

*4:「Don't look back!」限定盤・劇場盤収録、難波鉄砲隊其之六名義の「ニーチェ先輩」

*5:そもそも再加入の発表が2013年のNMB48結成3周年記念ライブにて行われ、翌年行われたAKBグループ大組閣ではいち早くチームNへの昇格を言い渡される(のちに辞退する)という好待遇でした。

*6:行ける日程は劇場公演を応募し、年に何回か入れるかくらいの勝率です。未だここ天公演に当たらず、SKEの方が当選率が良い状態です。4期生でBⅡ所属のまいち推し。好きな曲→「サングラスと打ち明け話」「想像の詩人」「ナギイチ

*7:映画公開前に開催されたAKBリクエストアワー時も、イントロが流れはるっぴとさくらが階段を下りたところで「何二人でWセンター面して下りてるの!?」とさっしーが止める演出があったり。

*8:らぶたんが移籍しなければあまり興味を持たなかったままかもしれません。らぶたんは私の中でAKBグループ全体の推しなので、純粋なHKTメンでは美奈ちゃん推し。好きな曲→「初恋バタフライ」「ウインクは3回」「桜、みんなで食べた」