柑橘類の陽

イラストだけでなく、言葉でも伝えられるようになりたいです。

かけなくなったものがかけるようになるまで

描く(書く)ことが好きな私ですが、ここ数年は描けない(書けない)状態になることがありました。色々と考えて最近は描ける(書ける)ようになったので、その過程を記します。

 

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推しの話が書けなくなった

よく「Twitterは自分の好きなことを呟く場所!フォロワーさんはそれを勝手に読みに来ているだけ!」と聞きますが、私は「自分の好きなAくんの話をしたい」気持ちよりも「Bさんの嫌いなAくんの話を、Bさんの前でしたくない」気持ちが上回ってしまい、Twitterで推しの話を書けなくなったことがありました。
アイドルに対してもそうですが、自分の好き嫌いで相手の行動を変えるよう迫るのは厚かましいことだと思うので、私の行動を「話をしない」に変え、対応を取ったつもりでした。*1
しかし、気持ちは言語化しないと曖昧で不確かなものになっていきますし、明らかに不健康な状態です。「認知の歪みが起きているな~」と思うことがあっても放っておいたのですが、他の推しの話もしたくなくなってきた自分に気付いてようやく、何らかの解決策を編み出さねばと考え始めました。

① 別の推しの話をする
「嫌い!」と言うフォロワーさんがいない推しの話を、練習がてら増やしていきました。「『嫌い!』と言うフォロワーさんがいない」というのが、この時の私にとって重要なポイントでした。新規ハイも相まって、推しを肯定し、推しの話をするという感覚をだんだん取り戻していきました。

② 「みんな」ではないことを知る
ネットではなく実際に他の友達と会って話すことで、「みんなが嫌いなわけではない」という当たり前のことを実感できました。わざわざ私の目の前で私の好きなものに対しての悪口を言い続ける*2人ばかりの世界ではないことに気付いて、楽になりました。それからは、目前30cmで繰り広げられているように感じた会話が、もっと遠くに思えるようになりました。

③ 時限的なミュートをする
「自分の精神衛生を守るため、合わないと感じた人は即ミュート&ブロックすることが大事」も、Twitterでよく聞く言葉です。でも、「Aくんの悪口を言う」所だけ見たくなくて、その他は見たい場合、どうしたら良いのでしょうか。用途ごとにアカウントを使い分けている相手だったら、一つのアカウントだけを避ければ良いのでしょうが、総合的なアカウントの運用をしている相手の場合は、どうしたら私の望む状態になるのでしょうか。そうこう悩んでいる内に、Aくんの話題だけではなく「悪口を言う(キツイ言葉を使う)」姿を見たくないところまで来てしまいました。TLに不意に現れるとダメージを受けるため、元気のない(ダメージを受けやすい)時限定で、時限的なミュートを行うようになりました。相手の怒りそうな事柄が起こっても、自分が元気な時にアカウントを覗きにいくようにすることで、「やっぱり怒ってるな~」くらいの反応で終えられました。


ここまで書いたことはあくまで主観的な話ですし、自然と自己弁護している部分もあると思います。記憶の中では”酷い事を言っていた”文面を、後で見返すと”そこまで酷くないかも?”と思い直すこともありました。「蔑称が決まったら教えてね!(ミュートしたいから)」と何度か伝えたものの返事はなかったので、二人にとっては”悪口を言っている”つもりはなかったのかもしれないなーと今は思っています。「私の前で言わなくても良くない?」と思った"キツイ言葉"も、受け手(私)の感性であり、相性の話だと思います。

過去を振り返ると、自分も同じようなことを友人にしたことがあるので、これからは絶対にしないでいたいと誓いました。発言の自由があるならばこそ、人を不快にする発言をしない選択があるはずです。
そしてここ数年は自分の好きや推しを肯定する気持ちを固めていく期間だったので、自分とは違う意見が出された時に、受け止めた上で上手く返すことができず、周りの友人には申し訳ないことが時折ありました。今は少し余裕ができたので、いい塩梅で自分の意見も他人の意見も大事にしていけたらと思います。

 

 

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箱絵が描けなくなった

2017年秋頃からユニット推しの傾向が強いジャンルのsideMにハマり、「どうやら私は箱推しではなく単推しの気が強い。とはいえ、後一・二年もしたら箱推しになれるかもしれないな~」と考えたあたりで関西Jr.の界隈に目をやると、「続くグループの結成に、個人戦の時代はもう終わり。これからはグループの時代!」という時流になり、何でや~!?と一回笑いました。

私の中で自ら「箱推し」と名乗れる基準は、下記の通りです。
・メンバー全員のWEB連載や記事を読み込む。
・メンバー全員のグッズを買う。
・推しは出なくても、メンバーの仕事を追う。*3

グループができて、だんだん西畑くんや小島くんが仲間に対して柔らかな表情をする場面が増えて嬉しく思う気持ちと、私の推しスタンスは別の話な訳で。今までは推し(と気になる子)だけ得れば良かった情報の波も、メンバー全員を追わなければいけないように勝手に思い、いっぱいいっぱいになりました。コンサートや舞台でも基本推しカメラ*4になる人が、いきなり膨大な量に対応できるわけないじゃないですか!?
どんどん箱ごと推せるようになる周りをうらやましく思いつつ、「グループ とは」「ユニット とは」と考えていると、いつの間にか箱絵が描けなくなっていました。十五祭後に8人∞の絵を描きたかったし、24時間テレビに出たなにわの絵も描きたかったのに、グループ全体の形を捉えられず、紙に出力できませんでした。何なら、sideMでもユニット絵は描いたことがなく、単品絵しか描いていないことに気づいてしまいました。*5
箱推しできていない&箱絵が描けないことに自己嫌悪し、絵を描くこと自体しなくなり、完全な悪循環でした。

無理にでも毎日何かしら描いていこうかと思った昨夏は、メンバーの脱退と推しの卒業発表にそれどころではないメンタルになり取りやめ(タイミングの悪さに笑いました。)、年明けには「そろそろ絵が描けるような気がするな…?」となったものの、仕事が忙しくて時が過ぎるのみでした。
ちゃんと筆をとれたのは春です。グループ結成から一年以上経ったので、それぞれのグループと向き合い、見える形を描きとめようという気持ちにやっとなりました。
描き始めはドキドキしたものの、だんだんと「これは描けるな?」と確信し、完成したときは「描き上げられた!」と達成感に満ちました。作業を始めるとあっという間に時間が経つ感覚を、久々に思い出しました。そこから堰を切ったように、推し声優番組のお祝いイラストや推しキャラの誕生日イラストや何やらとひたすら描いて、スッキリしました。

また絵が描けるようになった!嬉しい!!!

各グループの絵は自分が描けるようになるために描いたものなので、ネット上で自ら公開する予定はございません。*6ご縁がありましたら誌上でよろしくお願いします、というところです。いつも通りに思われたら、元通りになったということでとても嬉しいです。

*1:ミュートワードを知っており、私が書いたところで当人には見えない状態だとわかっていたものの、これ以上嫌いになる要因に私が入ることは避けたかったので、その話をしたくありませんでした。

*2:「わざわざ」「目の前」「悪口」「言い続ける」と思うあたりにバイアスがかかっていそうです。

*3:二次元だと、「ユニットメンバーの出演するゲームのイベントを走る」も含まれます。

*4:何回か見てようやく視界が広がって、全体が見えます。

*5:唯一描けたWTドイツ絵は、普段のユニットではない「越境ユニット」なので、自分の中で恒常的な組み合わせだと感じていなかったのでしょう。

*6:ドル誌への投稿は、ネット公開時では最後に押す「更新」ボタンを編集者さんに託す側面があると思います。