柑橘類の陽

イラストだけでなく、言葉でも伝えられるようになりたいです。

宇宙人とマッシュボーイの友情は永遠なのさ~関西ジュニア「おいでよ!ミナミ笑店街」雑感~

小島くんの作り出す世界が大好きな私にとって、脚本・演出が小島くんである今年の春松竹は、絶対に行きたい現場でした。*1実際に観てみると、とても楽しくて、名残惜しくて、また会いたくて、最高な春になりました!

 

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たろれおあらすじ

※役柄の話は基本的に敬称略です。ご了承ください。

舞台上に角くんがいてもたろれおに注目してしまう瞬間があるくらい、お話がめちゃくちゃ好きで!たろれおに特化したあらすじを記載します。あらすじだけを知りたい方は、私の感想を飛ばして太字のみ読み進めてください。

 

▲OPソング「おいでよ!ミナミ笑店街」披露後、真弓警官に道を尋ねた蓮王と青年(私服の太郎)が仲良くハケる。
この蓮王を劇中の蓮王と同一視するかどうか、見解が分かれるところですが。もし同じ蓮王だったら、かつての友達とよく似た宇宙人に出会って、より運命を感じるかもしれないと思いました。


●100年に一度の流星群の日に、蓮王は「友達が欲しい!」と願う。
日替わりの二人が願った後、蓮王の願いは固定でした。

●墜落したUFOから登場する宇宙人Y.T太郎とE.T瑛翔は、どうやら記憶喪失のようだ。皆が二人をどう扱うか決めかねる中、蓮王は「太郎くん達を、うちで預かろうよ!」と親にねだるも断られる。
この時点で、蓮王には「太郎くんと友達になりたい!」という想いがあります。あれほど奇怪な第一印象なのに…!

●宇宙人を楽しませられる家が引き取ろうと、チビッ子達の特技アピール大会。蓮王は秘技「誰にもウケないギャグ」を達成し、親の許しを得る。
チビッ子×二人の日替わり披露後、蓮王の挑戦。
や、私も「まいジャニで蓮王くんのギャグに笑ったことがないな」と思っていましたが、いいの⁉世間的にも蓮王くんはそんなに面白くない認識なの⁉と初見は動揺しました。ややウケたとしても、オカン・上垣くん*2が「すごーい!蓮王のファンの子しか笑ってなかったよ!千人おるはずやのに!」とフォローして、秘技は達成するので安心です。

●蓮王「僕の名前はレオだよ」Y.T太郎「…マッシュボーイ!」
ははーん、これは伏線ですね。

●一ヵ月後、Y.T太郎と蓮王はすっかり仲良し。でも呼び名は未だに「マッシュボーイ」。
記憶がないとはいえ、いずれ訪れる別れを思い、あえて名前呼びをしなかったのかもなと思います。

●蓮王「うちのオトンとオカンもミナミ商店街で出会ったんや。恋をするなら御堂筋からやで。」
いつも賑やかで仲良しな商店街メンツ。どこかで聞いたフレーズだなぁ…と思いながらも、ここでその歌は流れず。

●岡ギャングの企み「Y.T太郎とE.T瑛翔を捕らえて売る!」が商店街に伝わる。二人を守るべく相談する商店街メンバーの輪を離れ、Y.T太郎と蓮王二人っきりの時間。
ロマンティックな時間。本筋とはいえ、たろれおのやり取りが気になって、後ろの商店街メンバーになかなか目をやれなかったです(反省)。

●蓮王「太郎くん、もし記憶が戻っても…ずっとここにおってな?」Y.T太郎「おう!」二人の約束のポーズは異なり、揃わない。
Y.T太郎の約束のポーズは「人差し指を突き出す」で、蓮王のポーズは「小指を差し出す」。異文化。

●商店街メンバーVS岡ギャングのお笑い対決!からのビグゲ乱闘。何故か皆にボコボコにされたY.T太郎は、衝撃で記憶を取り戻す
観ていない方にとってこの2文はなんのこっちゃでしょうが、見たままに書きました。一太くん振付の群舞がカッコよくて、目が足りない。Y.T太郎の危機にいち早く気づいた蓮王がラジカセのボタンを止める。

●Y.T太郎とE.T瑛翔は、ある星の王子だった。王位継承のために父親が迎えにくるタイムリミットは、地球時間であと一時間…。
ロマンティックな設定。この説明で、岡ギャングの企みも諦めてもらうことになり、事態は解決。

●蓮王「太郎くんの嘘つき!嫌い!ずっと一緒におるって言ったやんか!」と駆け出す。
Y.T太郎「嫌いって言うな!」真弓警官「そこ⁉」とツッコむけど、Y.T太郎にとって一番大事なのがそこじゃったんじゃよ…。

●Y.T太郎「このミナミ商店街が大好きです。僕は、ミナミ商店街の皆さんに恋をしました!」
満を持しての「大阪ロマネスク」歌唱(歌うのは楽くん)。Y.T太郎が『恋』というワードを使うには、それまでの蓮王との会話で「恋とは…」みたいな説明があったはずなんですよ。それか、太郎が独自の解釈をして、私達の思う『恋』ではない気持ちが込められているはず…。

●お別れの場に来なかった蓮王が、自転車に乗って登場。「太郎くん乗って!これで逃げよう!!!」
どうしたらY.T太郎と一緒に居られるか考えた末の、大胆な提案。前カゴに頭を突っ込んで一旦ノるも、諭す口調で話し始めるY.T太郎が切ない。

●皆に別れの言葉を告げるY.T太郎「オトン、オカン…これからも蓮王をよろしくお願いします。」
ここで初めての「蓮王」呼び!喜ぶ蓮王にも「蓮王」と呼びかけ、感謝を伝えます。

●流星群に願って叶った内容(友達が欲しい)をY.T太郎に教えない蓮王。理由は「また会えるから」。Y.T太郎式の約束ポーズで、光に包まれる。\E.T~⁉/
また会ってくれ(願望)。
Y.T太郎が呼び方を変えて蓮王に歩み寄り、蓮王は約束のポーズをY.T太郎側に歩み寄って、二人の気持ちが近づいたから光に包まれたのかな。

●真弓警官の語りからの「We are」披露。「永遠なのさ」でまた人差し指を合わせる二人。
この場面が最高!二人の友情よ永遠なれ!!!

●UFOで帰っていったのは、兄弟一優秀なE.T瑛翔と玉の輿を狙う嵜子だった。このまま地球で暮らすことになったY.T太郎。蓮王「やったー!」
これまでに散りばめられた「兄のY.T太郎より弟のE.T瑛翔の方がしっかりしている」情報が、実を結ぶオチ。たろれおの友情は永遠なのさ!ハッピーエンド!!

 

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特に印象に残ったキャラクター

真弓くん
真弓警官が主となってすべての話が回っていくので、司令塔として半端ない活躍ぶりでした。鷹の目を持って俯瞰できないと、務まらない役割。すごい。

 

岡くん
小島組でも確かな活躍を見せた岡くんだから、岡ギャングのボスという重要な役どころについた意味がわかります。安心感がすごい。悪役組をまとめてノリツッコミして、憎めない役どころを演じきっていました。

 

瑛翔くん
関ジュ最年少で、あんなに出番が多いことある⁉台詞量もダンスもアドリブまでも、先輩と遜色ない活躍でした。40公演をやりきって、本当にすごい。Y.T太郎と並ぶと半分くらいの大きさしかないのが、より宇宙人感マシマシでした。

 

嵜子(嵜本くん)
この春のMVPでした!照れなくやりきった胆力に拍手です。出てくるだけで面白かったし、何かやらかしてくれるだろうという客席の期待を、毎回越えていてすごかったです。今春の思い出にと該当担以外も買ったのか、ステフォが早々に売り切れました。私も買いました。
イケメン+玉の輿を狙う!という目的に忠実な子でしたが、宇宙人ライブに誰よりもノリノリだったり商店街ギャグに一人ウケていたり、愛嬌のあるキャラで実はかわいかったです。
ゆきやくん休演時は、篤子とキャットファイトをしていたのに、ビグゲでは岡ギャング・ボスに共闘した姿が最高でした。

 

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ショータイム

1. この星で生まれて(フレッシュ)
すこやかくんのInternational&ハイトーンさが説得力を生み、劇の後に相応しい宇宙を感じさせる選曲。ショータイムは浦くんが中心に考えたそうですが、黄金期の錦戸さんや薮くんハイトーン期という昔ながらの曲だから、これは大倉さんの指示があったのかな?

2. Hapiness(全員)
たのしい。
3. 微笑み一つ咲かせましょう(ボイビ)
キラキラでかわいい。アンビとの対比で、私の好きな傾向を歌ってくれがちなのが嬉しい。
4. Wtrouble【8日まで】 RIDE【9日以降】(アンビ)
メンバー全員が揃わないとオリジナル曲は披露しない、という意思が感じられて良かった。どちらもフォーメーションがクルクルと変わって大変そう。

5. だってアイドルだもん!!(フレッシュ)
正門ソロコンでもあったというアレンジかな?ひたすらに可愛い。浦くんの挨拶から発覚した、大倉さんの選曲。「大倉」が「大阪」になったり、「たっちょん」が「アイドル」になったり、歌詞の使い勝手がすごく良い。

6. 春に会える君と
電飾のついた大きな桜の木がキラキラ光る中、昨春の名曲がまた聴けるなんて!嬉しい!!
7. 桜咲くColor
8. さくらガール
桜メドレーは春の訪れを感じさせる。良い。

9. Shall we...?(アンビ+篤志、池川、角、亀井、北村、山中)
和衣装の和楽曲は良い!ゆきやくん休演時に角くんが台詞「Shall we...?」パートを担い、息を飲みました。該当担はいつも息をどうしてるの…?

10. サクラ咲ケ
花びらが舞い落ちる中、盛り上がり最高潮で〆。

-挨拶-(ボイビ*3・アンビから一名ずつ)
挨拶ガチャは私的初日に角くんを引けたので、心に余裕がありました。


11. SHINE ON

EN1. おいでよ!ミナミ笑店街
二度目のテーマソングはファンサタイムで。
角くんが浦くんの前髪をぐしゃっとするのが割とデフォにあって、微笑ましかったです。

 

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総括~小島担として楽しかった春~

小島組の「笑劇」を観た時に、「ミステリー小説みたいな伏線を張れるんだ⁉時間をかけて丁寧に作って、とてもわかりやすくなっている!*4普段「独特な世界観だから」と思っている他担こそ観てほしい!」と思ったので、今回の春松竹はまさに願ったり叶ったりな状況でした。
ラジオで「クジラとペンギン」についての小島くんの語りを聴いた時に、小島くんの作るお話はハッピーエンドであってほしい!と願ったので*5、こんなに楽しいコントを関西ジュニアで披露したことが嬉しすぎました。

<スッキリした伏線ポイント>
・頑なな「マッシュボーイ」呼び→最後に「蓮王」呼び。
・E.T瑛翔の優秀さ(九九が言える、複雑な折り紙が折れるなど)→王位継承するのはY.T太郎でなくE.T瑛翔だった!
・最初の願い「友達が欲しい!」→素敵な友達ができたけど、それを本人には言わず匂わせるに留める。

真弓警官が「俺たちは出会いや別れを繰り返して生きている。時には宇宙人との出会いもあるかもしれない。俺たちの心はみんなここにある、だからただ気が向いたらでいい、みんなおいでよ!ミナミ笑店街へ!」と語ってからの、「We are」の流れが完璧でした!タイトルの伏線回収が痛快!元々、少年漫画原作アニメの初期OPみたいな曲だと思っていたので、集大成感が半端なくて幸せな気持ちになります。真弓警官&角爺、オトン・蓮王・オカン…と各グループが1フレーズずつ歌っていくのが、今までの楽しい時間を思い出して、またミナミ商店街に会いに行きたい…!という気持ちが膨らみ、寂しくなる程でした。

「推しがいるから」だけでなく、脚本や演出が自分と合っていると、こんなにも通うのが楽しいんだ!と初心に返りました。*6

 

角担としては、筋を壊さない程度に暴れる角爺を安心して観ていました。ずっと背中を曲げて、自然なお爺さんじゃった。毎公演5ギャグは観られたのかな?贅沢じゃ。真弓くんに「パートナー」と言われた回があって、嬉しかったな。
蓮王を探した後の岡ギャング・ボス&Y.T太郎と波長の合ったギャグをする場面と、「これ以上、宇宙人に何を言われても驚かんよ」の優しい言い方が好きでした。
劇中がヅラなため、ショータイムはオールバック!*7上階でもわかりやすくてありがたかったです。

そして、実はアンビ・ボイビ合同公演に入るのが初めてでした。Aぇがデビューし、もしかすると今年からりとかんは関ジュと別稼働になるのか?という流れの中、それでも大丈夫だろうと思えました。全員一丸となって挑む「関ジュらしさ」が春松竹にはあり、本人達が不安にならなくてもいいと思える煌めきを感じました。
ほんっと~に、楽しい春でした!

 

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レポ

*1:結局は小島名義も該当名義っぽい当選率だった割には、3階席だったなぁ…。

*2:蓮王くんが普段可愛がっている上垣くんがオカン役なのも面白い。オカン衣装が板に付きつつある上垣くん。

*3:篤志、池川、角、亀井、北村、山中から一名。

*4:2021年~2022年の小島くん演出3作品の内、「笑劇」が一番わかりやすかったです。狼煙Aぇオリ劇の「クジラとペンギン」は、好意的な解釈をする私でもよくわからなかった。狼煙あけおめの「シルエット」は、「小島くんってああいう幼い頃の友情やエモさが好きだよね~」と思ったけど、コスプレ服装がふざけていると捉えられがちだった。

*5:狼煙Aぇオリ劇の感想文→https://yuzuhi.hateblo.jp/entry/2023/10/08/211525

*6:元々、舞台感想が脚本→演出→役者の演技になりがちで、ストーリー重視の傾向があります。

*7:ピンで留めたり、色々試行錯誤はしたらしい。