柑橘類の陽

イラストだけでなく、言葉でも伝えられるようになりたいです。

「少年たち~Born Tomorrow~」松竹座公演雑感

日生からの約二ヵ月間、お疲れ様でした。

関西びいきで西畑くん目当てに日生劇場の「少年たち」公演に参加した二年前の秋、私は「すのでは阿部くんが好きだよ!」と言いながら帰ってきました。阿部くんの動きがあんなに可愛いなんて知らなかったんですよ。後で調べると、頭が良いゆえに面白いことになっているエピソード*1や、単独出演で張り切った阿部くんが前髪を切りすぎないように祈られている事を知り、もっとそっと情報をTLに流しておいてくれないかな!?めっちゃ好みのタイプやん!?と思ってしまいましたが。
それから関西で阿部くん(というかすの)にお会いできた機会は16年夏のキスマイドームコンのみなので、やはり東のJr.を観るには東京まで出かけなければならない状態です。
そんな訳で、すのすとが松竹座でも公演を行うと聞いた時は、「わーい!大阪で阿部くんが見られる!」と単純に喜びました。関西Jr.の出番が少しでもあったら、二年前の私のように推しを増やす機会となっていたかもしれませんね。でも、二年前に「初めて自分たちが前に立つ舞台ができた!」と喜んでらっしゃっただけに、「すのすと12人だけの舞台」ということの大きさをより感じます。
ちなみに、私は阿部くんを見ていると「阿部くん可愛い!天使!癒される!」とニコニコするのみなので、ここの踊りが…演技が…と思い至らないので申し訳ないです。動きが軽やかで一挙一動が可愛いです。天使。

すのすと担からすると「当然じゃん!」と思われる部分もあるかと思いますが、こういう点で私は驚いていましたよという報告と感想を書き留めていきます。同じ「少年たち」の舞台でもそれぞれの季節で内容が異なり、私の思っている「普通」が普通でないことが色々あり、異文化交流の趣があっておもしろかったです。

 

+++
目次

 

+++

流れに沿っての感想

松竹座で追加されたオープニングアクトの内、2曲は日替わりで、全4パターンありました。

◆11月3日昼→「逆転レボルシオン」「背中越しのチャンス」
 …ズラッと半円状に並んで撃つくだりがカッコイイ。そして両曲とも飛び跳ねまくっていた阿部くんはかわいい。
◆11月8日夜→「この星のHIKARI(すと)」「Lucky Man(すの)」
 …クリエか何かでやったという噂のやつだー!とキャイキャイしながら「Snow」\Man!/のC&Rを楽しみました。テンションが上がります。

 

アクトが終わると座り、東の方にはすっかり御馴染みになっているであろう、あおい輝彦さんのナレーションから物語が始まります。「輝きの日々」がBGMなので、17年夏松竹を過ごした関西担の脳内で、キョウヘイが歌いだしそうですね。
これまでの「少年たち」の写真がスクリーンに投影され、右下にフォーリーブスさん、左下にトシ坊さんが笑っているお写真があることを確認しました。


◆「The Night in New York」
夏のムカイとニシハタは上手下手のバルコニー風セットに上り歌うのでロミジュリ風味でしたが、格子の窓からジェシーとイワモトの姿が覗かされると、"囚われの"が頭につく感じでより切なげでした。

◆「僕に聞くのかい?」
ジェシーに誘われブランコに乗った新入りのキョウモトが、ここに来た理由を問われ、歌いだします。ごくごく当たり前のことを言うと、京本くんの歌がめちゃめちゃ上手いです。少クラで見る以上に、現場での歌声がとても素敵でした。
あまり「●●ロス」にはならない方なのですが、今いる場はニシハタとオオニシが歌わず、後ろで踊る15年夏の赤トリオも17年夏の赤バンド組の姿も、二度と見られないその時だけのものだと思うと、ものすごく寂しくなりました。

◆「嗚呼思春期」
イワモトが焦燥感をそのままドラムに叩きつけるような姿を見て、すごく理にかなっていると思いました。というのも、西では歌うのは青チームなのですが、バンド演奏を行う4人は赤チームなため、つなぎを着替えて演奏しているのです。
悪そうな顔で「俺は頭がキレすぎた!」と言ってのける阿部くんに\フーッ!/と言いたくなります。

◆「闇を突き抜けて」
これまで赤チームの方に目をやっていたので(すとにあたる部分)、青チームにあたるパートのダンスをようやくじっくりと見られました。
争いが起こってもこの曲を踊ればなんやかんや収まるはずだったのに、闇突き後もすのすとさん達は半裸で争います。喧嘩でもしていないと、憂さが晴れない…そう言われればごもっともですね。

◆お風呂場のシーン
しっかりとした目隠しシートが自立していてびっくりしました。関西版はペラペラです。予算の違い…?縁の上で指をあそばせる岩本くんが可愛いので、良しとします。
先にハケた岩本くんに続き、他のメンバーも舞台袖にハケてから脱いだり服を着たりするので、そこも関西と違う点ですね。関西は舞台上の黒幕のこちら側で丈くん看守が場を繋ぐ中、向こう側でお着替えをしていました。
後は、
 関西「何か面白い話が聞きたくなってきたけど、誰かないかな。」*2
 すのすと「入浴してほっこりしたから、ほっこりした話が聞きたいな。」
の流れの違いが顕著に東西の差ですね(笑)。最後に「ほっこりワード」の発表で全員が話すタイミングがあるのがうらやましいですが、12人分の答えを覚えるのは大変そうです。

◆ライフルのシーン
欅坂46ナチス風衣装の時のように、これを「カッコイイ」と言ってしまって良いものかと少し引っかかりつつも、ライフルを回したり、一糸乱れず動く様がカッコイイです。「戦争」という国の命令により、個はなくなり集団として扱われることを表しているのでしょうか。(ジェシーくんはジェシー(役)のまま?)
勇ましい軍歌のようなアレンジをされた曲がかかっており、「君にこの歌を」や、夏松竹の一幕終了前(室看守長がマントを羽織り、島の住人を酷使しているとわかる場面)でかかっているおどろおどろしい曲も含まれていました。

◆最後のブランコのシーン
「そういえばこれは『少年たち』の舞台だった」と思い出す効果のある最後のブランコ登場は、東も西も共通ですね♡と親近感がわきました(笑)。日生初日レポでタイヤのブランコ出現に驚かれる姿を見て、ドリボもそうですが、最近の東はベンチ推しだったことを思い出しました。)

◆show time
show timeは一曲ずつ交代してのグループ曲披露だったので、どうせなら舞台内容にちなんだシャッフルユニット曲も見てみたかったです。ジェシー・岩本くん(+京本くん)曲で「もし二人が再びともに音楽を楽しむ世界だったら」のifを楽しんだり、ふかほく兄弟やじゅりゆごあたりの盛り上がる曲を聴いてみたかったですし、単純に「LOVE」も聴いてみたかったです。
すとさんの曲は、一階後方から眺めるとオイシイ部分(あぐら、扇投げ)が見えないので、これは上階から見たら綺麗なやつだ!と思っていました。
すと担さんすの担さんそれぞれが「最高!」と推していたオリジナル曲群を見られて良かったです。

 

+++

舞台全体の感想

 

副題の『Born Tomorrow』は、フォーリーブスさんの楽曲「あしたが生まれる」意識かと思いますが、特にその要素はありませんでした。ジェシーくんがジャニーさん役を演じると報じられていたのも楽しみにしていたのですが、そちらもどこかへいってしまった模様。*3

年々戦争色が増す二幕と聞いていましたが、身近なこと(ジェシーの出兵)からそれぞれ興味を持って調べた戦争の怖さ・悲しさを感じていくという話の流れはすごくわかりやすかったです。ポスターのジェシーくんの大きさにも、舞台を観てから納得しました。「少年たち」らしさを一番身にまとうキョウモトは、あくまで物語のきっかけにすぎないということなのでしょうか。やっぱり脱獄してほしかったと思うと同時に、看守役がいないから戦えないと納得し、脱獄しない点で「少年たち」らしさが薄くなっているのは仕方がないことかと思い直しました。

「笑ってはいけない『少年たち』」とも呼ばれる元凶である、あおい輝彦さんの声出演ですが、私の笑いのツボとはずれていたので、基本的には大丈夫でした。(「少年たちの空腹が限界に達した頃」のくだりは危なかったですが。)
看守長とナレーションの二役で声を出していらっしゃったので、どちらかに専念された方が、敵か味方(もしくは傍観者)かわかりやすかったと思います。
圧倒的な権力の誇示と、特定の人が執拗に殴られる様を見たいがために看守長の役割があると思っていたので、今回はそこに重きは置かれず、むしろ「少年たち」である意味とは?という考えになっていきました。

「松竹座でこういうこともできるのか」という発見では、プロジェクションマッピングの利用です。幕を半分下ろした部分に、画像や映像を映せるんですね…次の機会にも使ってほしいです。布を6枚、上から垂らすこともできるとわかりましたし。

私が舞台を観て考えたことは、「受け継ぐ」ことと、生きている間に大事な人にきちんと想いを伝えることの大切さでした。映画「ラストレシピ」を観ても同じことを考えたので、単に今自分の中で主立っている思考*4なのかもしれませんが、舞台に込められた思いを受け継ぐすのすとと、レシピに込められた思いを受け継ぐ話が重なって見え、自分が後悔しないような応援活動をしたいというところに落ち着きました。

自分が書いた二年前の日生感想ブログ *5を読み返すと、異文化との接触にただただ西が恋しくなっていたようですが、この二年で視野が広がったのか、「少年たち」という大きなくくりから見るとどの季節もあくまでバリエーションの一つで、時代や環境に合わせて変化していくものだと考えられるようになりました。

 

+++

その他に関する感想

 

すのすと担さんは初松竹座の方が多いでしょうから「松竹座を好きになって帰ってもらいたい!」と思っていましたが、こういうのは自分の内から湧き出る感情こそ大事だと思うので、松竹座を好きになった方がいらっしゃったら良いなというところでとどめておきます。検索に「松竹座」と入力すると「トイレ」と出てくるようになった初日前夜は面白かったです*6

勘違いされているようなブログを見かけたので一言だけお伝えすると、アンコールや歓声はもちろん大歓迎、改造公式ペンライトと公式以外のペンライトにの使用に対して厳しい(前もってアナウンスはしています)のであって、松竹座自体は怖くないですよ。
すのすと担さんは応援の声量があると聞いて楽しみにしていたのですが、今回はアンコールがなく、聞けずじまいで残念です。

キンブレ云々に関しては、メンバーカラーがあってもすのすとの区別がつかないため名前シートを入れているとのことで、それなら各ユニで形を変えたペンライトを作成すれば解決しそうですが、型を作るお金の元を取るにはどれくらい売れば良いのか…と考えると、シートを各ユニ差し替え販売という現状にどうしてもなってしまうだろうと思いました。
尊先グループのペンライトでアピール!というのは西の文化なのですね。同じ時期にウチワを狩られはじめ、東と西で既に別の道を歩いている感じが面白いです。

最後に、私のこれからのすのすとさんとの付き合い方ですが、日帰りの範囲(神戸~名古屋)で友達と一緒なら観に行こうかな~という、これまで通りと同じになりそうです。そんなゆるっとした感じでの応援なので、次にすのすとさんとお会いできる機会がいつになるのかわかりませんが、その時を楽しみにしております。

*1:刀の受け渡しが上手くいくよう物理の方程式を用いて計算したり、熱に浮かされ別言語で自問自答したり。

*2:面白い話しばりのはずが、途中から一発ギャグ披露の場になっていきました。

*3:https://twitter.com/nikkan_tokyo/status/901086761824075776

*4:最近「君の膵臓をたべたい」を読んだ際にも、同じことを考えました。

*5:日生劇場版「少年たち」感想 - 柑橘類の陽

*6:各松竹座担(関ジュ、ジャニスト、∞)の皆さん各々でトイレエピソードを持っているもんですね(笑)。